多くの方は資産運用を行う上で採用しているであろう「積立投資」月々に決まった金額を毎月投資されている方も多いと思います。
皆さんも一度は考えた事があると思いますが、積立投資を行うタイミングは月初が良いの??それとも中旬が良いの??いつ??
という疑問に対して実際に検証してみようという事でこの記事を書いてみようと思います。
今回の記事ではS&P500指数に連動したETFであるIVVの2000年から2021年のデータを使用して、月初に対して中旬で株価の値動きがどのように推移しているのかのデータを元に月初に投資する方が良いのか?中旬に投資する方が良いのか?について検証したいと思います。
こんな方に読んでいただきたい!!
- 一月の中での最適な投資タイミングを知りたい
- 実際にどのように株価って推移しているのか知りたい
目次
S&P500指数を使用したシミュレーション
それではS&P500のデータを用いて月初と中旬の株価の差分を見ていく事で月初に投資するのが良いのか?それとも中旬に投資すれば良いのか?について見ていきたいと思います。
あくまでも過去のデータという事で参考となりますが、どのタイミングで投資するか検討するのに有効な情報となれば幸いです。
それでは過去20年の中で、上昇相場、下落相場でブロックわけしてそれぞれの期間での株価推移について見ていきたいと思います。
- 2000年6月〜2003年2月
下落相場 ”ITバブル崩壊後” - 2003年3月〜2007年7月
上層相場 上記からの回復 - 2007年10月〜2009年3月
下落相場 ”サブプライムローン、リーマンショック” - 2009年3月〜2020年1月
上昇相場 上記からの回復 コロナ前 - 2020年3月〜2021年5月
上昇相場 ”コロナ暴落からの回復”
❶2000年6月〜2003年2月
下落相場 ”ITバブル崩壊後”
それではITバブル崩壊後の2000年6月から2003年2月の下落相場におけるデータを見ていきたいと思います。この期間のS&P500指数は右肩下がりの相場がこの期間ずっと続いていました。
この期間の月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。
見てわかる通りこの期間の下落相場では中旬と月初の株価の差分があまりない事が分かります。回数で表すと
「上昇:15回、下落:17回」
とトントンといった感じです。
❷2003年3月〜2007年7月
上層相場 “ITバブル崩壊からの回復”
続いて2003年3月から2007年7月のITバブル崩壊からの回復期の上昇相場について見ていきます。この時期は上記の通り暴落からの回復のタイミングで右肩上がりの上昇を続けている期間でした。
この期間の月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。
見てわかる通りこの期間の下落相場では中旬と月初の株価の差分では+となる(すなわち中旬の方が株価が高い)回数が多い事がわかります。回数で表すと
「上昇:34回、下落:19回」
と中旬の方が株価が高い月が多かったという結果となります。
❸2007年10月〜2009年3月
下落相場 ”サブプライムローン、リーマンショック”
続いて2007年10月から2009年3月のサブプライムローン、リーマンショックによる長期にわたる下落相場について見ていきます。
この期間の月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。
見てわかる通りこの期間の下落相場では中旬と月初の株価の差分では-となる(すなわち中旬の方が株価が安い)回数が多い事がわかります。回数で表すと
「上昇:5回、下落:13回」
と中旬の方が株価が低い月が多かったという結果となります。
❹2009年3月〜2020年1月
上昇相場 ”上記からの回復” コロナ前
続いて2009年3月から2020年1月のサブプライムローン破綻からリーマンショックによる暴落からの回復期の上昇相場について見ていきます。この時期は上記の通り暴落からの回復のタイミングで右肩上がりの上昇を続けている期間でした。
この期間の月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。
見てわかる通りこの期間の下落相場では中旬と月初の株価の差分では+となる(すなわち中旬の方が株価が高い)回数が多い事がわかります。回数で表すと
「上昇:86回、下落:46回」
と中旬の方が株価が高い月が多かったという結果となります。
❹2020年4月〜2021年5月
上昇相場 ”コロナ暴落からの回復”
続いて2020年4月から2021年5月のコロナによる暴落からの回復期の上昇相場について見ていきます。この時期は上記の通り暴落からの回復のタイミングで右肩上がりの上昇を続けている期間でした。
この期間の月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。
見てわかる通りこの期間の下落相場では中旬と月初の株価の差分では+となる(すなわち中旬の方が株価が高い)回数が多い事がわかります。回数で表すと
「上昇:30回、下落:9回」
と中旬の方が株価が高い月が多かったという結果となります。
全期間のまとめ
最後に全期間のデータを見ていきます。全体的にみると基本的には右肩上がりの株価上昇を続けているのがSP500ですね。
月初と中旬の株価の差分(中旬から月初の株価を引いた値)をプロットしていくと下記のような状況になります。がやはり+の月の方が多い印象です。
各期間も含めた上昇/下落の回数を表すの下記のようになります。
この表からもわかるように基本的に下落相場では中旬の方が月初より株価が安くなりやすく、上昇相場では中旬の方が月初よりも株価が高くなりやすくなっている事がわかります。
当然といえば当然の事ですね。
まとめ
それではこのシミュレーションの結果についてまとめていきます。
結果としては前述の通り、下落相場では中旬の方が月初より株価が安くなりやすく、上昇相場では中旬の方が月初よりも株価が高くなりやすくなる。という結果が出ていますので、相場に合わせて購入タイミングを変更するというのもやり方としてはありなのかと思います。
ただし上昇相場、下落相場についてはいつ来るのか基本的にはわかりませんので、使い分けるというのはなかなか難しいものと思います。
また、積立を行う前提であれば投資タイミングが1ヶ月違うだけなので最終的な資産形成においてはほとんど影響を及ぼさないのでは??と考えていますので、個人的には今まで通り月初に投資するスタイルでいきたいと思います。
積立投資については一番大切なのはどんな局面でも投資し続ける事、にあると思います。積立投資を継続してそれぞれの資産形成を続けていきましょう!
この記事が参考になれば嬉しいです。
最後に…
投資はやはり自己責任になりますので、様々な情報に対して自分で納得した上で行動する前提で臨む姿勢が必要であると思います。(上手くいかなかった時に誰かのせいにしてもお金が戻ってくることはありませんので。。。)
金融リテラシーをあげて豊かな人生を歩んでいきましょう!!
投資はあくまでも自己責任!
自分自身が納得した上で行動を!