投資編

SPYDによるポートフォリオの最適化 -暴落による銘柄追加とその効果-

我が家では2019年の9月から投資信託での投資を開始しました。

下記は我が家の投資に関する遍歴になります。

我が家の投資遍歴

  • 2019年9月:
    私のつみたてNISAで投資信託(楽天VTI)への投資を開始
  • 2020年1月:
    妻のつみたてNISAで投資信託(楽天VTI)への投資を開始
    私のiDeCo枠で投資信託(楽天VTI)への投資を開始
  • 2020年3月:
    暴落を機にスマートベータ(米国連続増配株ETFおよび米国高配当株ETF)への投資を開始

はじめは楽天VTIへの投資のみでしたが、VIG(米国連続増配株ETF)、SPYD(米国高配当株ETF)と投資銘柄を増やしてきました。

この記事では私がどういう理由で銘柄の追加を行なってきたのか?
追加銘柄に対して期待している事、そして追加する事によってポートフォリオ全体に与える効果について解説して行きます。

これから解説する内容は、
あくまでも現状の資産総額に対して「生活防衛資金」、「余剰資金」、「投資余裕資金」を確保した上での投資計画となります。
その前提でご覧いただけると幸いです。

暴落前のアセットアロケーション

それではまず暴落前のアセットアロケーションについて解説をしていきます。

まず我が家の家族構成が妻と息子(0歳)の3人家族で、「家族全員が豊かに暮らし続けるため」に資産運用を行なっています。

そのため今後養育/教育にかかる費用が何かと必要となりますので、「手元にある程度の貨幣資産を確保しておく」ということに重きを置いています。

我が家のアセットアロケーション(変更前)

月々の投資額

  • 楽天VTI月々 78,600ずつ積立
    *つみたてNISA/iDeCo枠を使用
  • VIG月々 46,400ずつ積立
    *貯金額は定額で残った資金については全てVIGに投資を行う。
  • 貯金月々 148,000ずつ積立

月々の貯金:投資の資産比率は45:55

アセットアロケーションの考え方(変更前)

このアセットアロケーションの考え方のポイントは下記の2つです。

  • 米国株式のインデックス投資を中軸に据える
    資本主義、米国株の長期的な成長を信じる
  • 60歳時点での貨幣資産と金融資産の割合を40:60としたい
    インフレリスク、為替リスクのリスク分散
  • 月々の投資と貯金の割合は基本45:55とする
    貯金額は固定した上で余裕があるときには投資に全額投入

以上のポイントを踏まえると前述のようなアセットアロケーションとなります。当然株価の値動き等でリバランスは必要となりますが、基本的な構成となります。

銘柄のセクター比率の確認

まずは現在投資しているETF(VTI/VIG)のセクター比率を確認します。

銘柄別セクター比率 VTI/VIG

上記のグラフは我が家で現在投資を行なっている銘柄(VTI/VIG)のセクター比率を示しています。

このままではよくわかりませんが、2つのセクター比率を同じグラフで示すと下記のようになっており、セクター毎の占有率を下げる事でリスク低減を行なっています。

混合セクター比率 VTI+VIG

二つの銘柄を合わせる事でセクター毎の占有率を平準化しています。

暴落の影響のおさらい

上記は4月9日までの過去3ヶ月分のS&P500とダウ平均のチャートになります。

2月の下旬に暴落を初めて3/23におよそ30%以上の下落を記録し、その後株価は”今のところ”回復傾向を示しています。

3/23の底値のタイミングでは私の運用成績も当然多額の含み損をたらふく頂きましたが、「長期投資を前提にしている事」と「貨幣資産多めのアセットアロケーションにしていた事」により、何の影響もなく投資を継続することができています。

このタイミングで暴落を経験することとなるとは思っていませんでしたが、今回の暴落で自分のリスク許容度を確認することができました

結果から言うと現在のアセットアロケーションであれば我が家的には耐えられると言うこととなります。

以上を踏まえて、だったら特に変更する必要がないのではないか??と思う方もいらっしゃると思います。

しかし、我が家では今回の暴落相場を経験したことで、2点アセットアロケーションに関する考え方の修正を行いました。

変更内容1点目:資産比率の変更

我が家ではこの暴落に際して、現状の資産比率に対して株価の安いこの時期にリスクを大きく取っていく事を決めて、月々の投資と貯金の資産比率を45:55から60:40に変更することとしました。

元々投資金額については毎月の貯金額は定額にして残った資金については投資に回す前提として考えていたので厳密にいうと変更ではありませんが、この暴落相場で無理のない範囲で最大限の資産を購入しておくという考え方を明確にするために明示しました。

変更内容2点目:新たな銘柄の導入

私は基本的に60歳までに1億円の資産を形成してその後は資産を取り崩していく事を考えていました。

しかしこの方法だと資産が目減りしていきますし、今後必ず起こるであろう暴落が60歳時点となる場合や、その他の不測の事態(健康面や天災や今回のような感染症など)によりキャッシュが必要な場合が考えられます。

今までのポートフォリオに安定的なキャッシュフローが得られるようにするため、銘柄の追加検討を行う事としました。

 

以上から、この暴落局面を経験した上での我が家のアセットアロケーションの考え方は下記の通りとなりました。(変更点は青字で記載)

  • 米国株式のインデックス投資を中軸に据える
    資本主義、米国株の長期的な成長を信じる
  • 60歳時点での貨幣資産と金融資産の割合を40:60とする
    インフレリスク、為替リスクのリスク分散
  • 月々の投資と貯金の割合は基本60:50とする
    貯金額は固定し資金に余裕があるときには投資に全額投入
  • 安定的なキャッシュフローを得る
    老後の資産の取り崩し対策

ポートフォリオの再検討

新しい銘柄の導入

上記のように”安定的なキャッシュフローを得る”ための方策として私が考えたのは新しい銘柄の追加です。

今まではあまり魅力を感じていない商品でしたが、資産を減らさずに一定の収入を得る方法というと、真っ先に思い浮かぶのが「高配当株投資」です。

最終的に私は「米国高配当株ETF」をポートフォリオに追加することとしましたが、ここでは私がどのような理由で銘柄を選んだかについて解説していきます。

高配当株個別銘柄の検討

私ははじめ米国の個別銘柄の中で高配当で連続増配を続けている優良企業の株式を購入しようかと考えましたが、今回の暴落に置いて個別銘柄へ一点集中で投資することの危険さを認識し非常にリスクが高い投資方法であるという結論に至りました。

自分でセクター比率を考えながら個別株のポートフォリオを作成することも考えましたが、ドルコスト平均法を用いて毎月投資をしていくには投資に回せる資金が絶対的に足りないこともあり、個別株への投資は選択肢から外しました。

米国高配当株ETFの検討

まず我が家では投資においての前提として下記をポイントとして実施して行きたいと考えています。

  • 資金的に無理のない範囲(資産比率)
  • ドルコスト平均法を用いる(時間の分散)
  • 投資セクターを分散する(銘柄の分散)

上記のポイントをクリアするには”自分の投資可能な範囲で”、”一定の間隔で投資できて”、”投資セクターを分散できる”事が必要となりますが、その条件を満足できてなおかつ高配当を実現できる商品がアメリカ市場にはあります。

それが「米国高配当株ETF」です。

私は以上の理由で「米国高配当株ETF」を自分のポートフォリオに組み込む事を決めました。

米国高配当株ETF銘柄の選定

もう一度投資におけるポイントをおさらいします。

  • 資金的に無理のない範囲(資産比率)
  • ドルコスト平均法を用いる(時間の分散)
  • 投資セクターを分散する(銘柄の分散)

上記から”一株あたりの購入可能額が低いという事”が大きな条件として挙げられます。

そこで私が候補として考えたのが、「SPYD」です。
SPYDはS&P 500の中でも高配当株80銘柄選で構成されており、特徴はやはり「高い配当率」です。年あたりの配当率は7%にも及び、この高い配当率を80にも及ぶ企業に分散投資を行なった上で享受できるところが最大の利点となります

また、高配当株投資は株式を大量に持っていないと大きい配当金を享受することは難しく、積立を行なっていくにあたってこの暴落により株価の比較的安いタイミングで始められるということはメリットの一つとなり、私が追加したいETF銘柄の特徴に合致します

導入を決める前にSPYDを組み込んだ場合のポートフォリオの状態について確認して行きます。

銘柄のセクター比率の確認

下記は銘柄毎のセクター比率を示した棒グラフとなります。ご覧のように銘柄毎に銘柄全体に占めるセクターの割合が異なります。

銘柄別セクター比率 VTI/VIG/SPYD

上記3銘柄の銘柄毎のセクター比率上位2セクターは下記の通りです。

セクター毎比率上位2セクター

  • VTI
    1位:テクノロジー(21.5%)
    2位:金融(19.7%)
  • VIG
    1位:資本財(26.9%)
    2位:消費者サービス(20.3%)
  • SPYD
    1位:不動産(17.6%)
    2位:消費財(17.5%)

これがそれぞれの銘柄の特徴という事になりますが、それぞれ上位2位には異なるセクターが入る結果となりました。これを組み合わせる事でポートフォリオ全体のセクターの分散効果をより大きく受ける事ができます

それでは組み合わせによる分散効果がどの程度か確認して行きます。下記の棒グラフ2つは左側はVTI/VIGの掛け合わせ(現在のポートフォリオ)とVTI/VIG/SPYDの掛け合わせを示しています。

混合セクター比率 VTI+VIG+SPYD

どうでしょうか。
VTI/VIGのみの組み合わせ(左側)より、SPYDを加えた右側の組み合わせ(右側)の方がセクター毎の占有率が平準化されている事がわかります。

検討しはじめた際には新たな銘柄を組み入れることでポートフォリオのバランスが崩れるのではないかと危惧していましたが、検証の結果組み入れることでさらに分散効果が得られる結果となりました。

暴落後のアセットアロケーション

我が家のアセットアロケーション(変更後)

月々の投資額

  • 楽天VTI月々 78,600ずつ積立
    *つみたてNISA/iDeCo枠を使用
  • VIG/SPYD月々 70,000ずつ積立
  • 貯金月々 148,000ずつ積立

月々の貯金:投資の資産比率は40:60

我が家のアセットアロケーションの考え方(変更後)

変更後のアセットアロケーションの考え方のポイントは下記の3つです。

  • 米国株式のインデックス投資を中軸に据える
    資本主義、米国株の長期的な成長を信じる
  • 60歳時点での貨幣資産と金融資産の割合を50:50とする
    インフレリスク、為替リスクのリスク分散
  • 月々の投資と貯金の割合は基本60:50とする
    貯金額は固定、余裕があるときには投資に全額投入
  • 安定的なキャッシュフローを得る
    老後の資産の取り崩し対策

この暴落局面でリスクを取っていく事、安定的なキャッシュフローを得るために銘柄を追加した事が暴落前との変化点となります。

まとめ

この記事ではこの暴落を機に現状のポートフォリオにSPYDを組み入れる事でポートフォリをの最適化を行なった結果について解説してきました。

米国には様々な特徴を持った優良なETFが多数存在します。各々のETF単体でも十分に分散が取れているものも多数存在しますが、組み合わせる事でさらにセクター分散の効いたポートフォリオを作成する事ができます。

皆さんも保有している銘柄に対して銘柄の追加の検討をしてみてはいかがでしょうか?もしかしたら良いパートナーが見つかるかもしれません。

 

最後に…

この記事は我が家の全体の資産に対して「生活防衛資金」、「余剰資金」、「投資余裕資金」を確保した上での投資計画として作成しております。投資に対してリスクをとりすぎないという前提は変えておりません。

投資はやはり自己責任になりますので、様々な情報に対して自分で納得した上で行動する前提で臨む姿勢が必要であると思います。(上手くいかなかった時に誰かのせいにしてもお金が戻ってくることはありませんので。。。)

金融リテラシーをあげて豊かな人生を歩んでいきましょう!!

投資はあくまでも自己責任!
自分自身が納得した上で行動を!

 

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