目次
iDeCoのメリット/デメリットって何??
iDeCoという言葉、なんとなく投資関連の話で聞いたことはあるけど結局何?お得なの??怖くないの??といった疑問を持っている方にiDeCoの特徴とどんな方にオススメか??について解説していきます。
まず、iDeCoは年金の積立のことで個人型確定拠出年金の愛称となります。
老後資金を貯めるためのお得な制度であり、国民年金や厚生年金と異なり希望者が任意で加入するものとなります。
ネット上でも「結局お得ではない!」とか「やらないほうがいい!」
という声も多かったり、少し複雑な制度であるということもあるため敬遠されている方もいらっしゃると思います。
この記事ではiDeCoによって得られるメリットとデメリットについて解説していきます。
iDeCoのメリットは??
iDeCoを利用することで得られるメリットは、
①所得税の減額
②運用益に対する課税の免除
の2点です。
iDeCoのメリット ①所得税/住民税の減額
所得税/住民税は当然みなさんの収入(所得)に対して支払いが義務付けられているものですが、所得税の金額がどのように決まるかご存知でしょうか?
所得税は様々な控除額を差し引いた上で得られる”課税所得”を元に計算されています。
iDeCoの特徴は「この”課税所得”を算出する際の控除額にiDeCoの積立額を入れることができる」という点です。
下記はiDeCoの節税効果を表した図になりますが、通常所得税は給与所得から各種控除を差し引いた課税所得に対して算出されるものになります。
課税所得を計算する際の控除にiDeCoの積立額を含むことで課税所得額が減額されるため、結果として所得税が安くなることで節税効果が得られるということです。
所得税/住民税に関する減税効果については皆さんの置かれている状況によって変化します。
iDeCoを取り扱っている証券会社のHPで資産することができますので下記のリンクを参照して、効果を確認してみてください!
SBI証券:SBI証券 iDeCo加入者診断&節税シミュレーション
楽天証券:楽天証券 iDeCo節税シミュレーション
iDeCoのメリット ②運用益に対する課税の免除
これはつみたてNISAと同じメリットとなりますが、「投資商品をiDeCo枠で運用した場合に得られる利益に対して課税されない。」というものです。
通常、投資によって得られる利益に関してはおよそ20%の課税が行われる形となりますが、その課税ぶんが免除される。ということです。
下記の図のようにiDeCoの場合は運用益に関しては非課税となるため、(b)のように課税されることなく全て受け取ることができます。
iDeCoにより税制優遇を受けることが可能!
- 所得税/住民税の減額
- 運用益に対する課税の免除
ここで
「あれ??受け取る時に引かれるんじゃないの??」
と思った方もいらっしゃると思いますが、
上記はあくまでも”運用益”に対して非課税であることの説明になります。
年金を受け取る際に差し引かれる税金についてはデメリットのところで解説します。
iDeCoのデメリットは??
メリットの解説が終わったところで今度はデメリットについてご説明していきます。
iDeCoを利用することで得られるデメリットは、
❶60歳になるまで引き出せない
❷専用口座の開設時と維持に手数料がかかる
❸受け取る際に課税される
の3点になります。
それではiDeCoのデメリットについて❶〜❸の項目に分けて解説をしていきます。
iDeCoのデメリット ❶60歳になるまで引き出せない
iDeCoはあくまでも老後の年金として積立ているお金であるため、積立てたお金は60歳になるまで引き出すことができません。
これについてはデメリットなのかメリットなのか意見の分かれる部分ですが、出したいときに出せないという点でデメリットとして挙げています。
中には「引き出せると使っちゃうから引き出せない方が良い!」という方もいらっしゃると思いますが、そういう方にとってはメリットとなり得ます。
iDeCoのデメリット ❷専用口座の開設時と維持に手数料がかかる
iDeCoを始めるには、銀行や証券会社等でiDeCo専用口座を開設する必要があリます。
その専用口座の開設時・維持のためにそれぞれ手数料がかかるということです。
各種手数料は下記の通りです。
iDeCoにおける各種手数料
- 口座開設手数料:
開設時のみ 2,829円 - 口座維持手数料(積立時):
毎月 171円〜629円 - 口座維持手数料(積立無):
毎月 66円〜524円
上記の通り、口座開設手数料は差異がないですが、口座維持手数料については金融機関によって異なります。
口座維持手数料は毎月支払う手数料で有り、60歳まで積立を行うとすると開始する年齢にもよりますがかなりの負担となりますので手数料の安い金融機関を選ぶことをオススメします。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券は手数料が安めの設定になっている事が多いのでこれらのネット証券を選んでいただければ問題ありません。
iDeCoのデメリット ❸受け取る際に課税される
iDeCo口座で積立て運用した資産は60歳以降に年金として受け取ります。
受け取りの方法は一括と分割を選ぶ事ができますが、どちらの受け取り方においても受け取り額に応じた所得税・住民税を支払う必要があります。
これが先ほど少しご説明した受取時の課税の話です。
税制の優遇については積立時の所得控除と運用益に対する課税の免除で受けられていますが、最終的に受け取る際には税金を取られるという事です。
この点がよくネット上で
「結局お得ではない!」とか「やらないほうがいい!」
と言われている原因となっていると考えています。
ただし、受取時に対しても一括受け取りの場合は”退職所得控除”の対象となり、節税効果を得ることができます。
それではこの制度でどれだけ税金負担が軽くなるのか?についてご説明します。
退職所得控除とは??
iDeCoで運用した資産を「一括で受け取る」場合は企業等から支払われる退職金と同じ扱いで所得税が課税されます。
それでは退職金に対してどのように所得税が課税されるのか見ていきましょう。
退職金への所得課税の計算方法
iDeCoによって積立てた年金を一括で受け取る場合は退職所得控除の対象となります。
退職所得控除とは何か??
退職所得控除とは「企業等から受領する退職金に対してその受取時の所得に対して控除しますよ!」という制度です。
退職所得控除額は、勤続年数によって変わり下記の計算式で算出されます。
勤続年数 | 退職所得控除額算出方法 |
勤続年数20年以下 | 退職所得控除(万円) = 40 x 勤続年数 |
勤続年数21年以上 | 退職所得控除(万円)= 70 x ( 勤続年数 – 20) + 800 |
これをグラフにすると下記のような形となります。
勤続年数20年を境に得られる退職金に対しての控除額の算出方法が変わっています。20年以上働いた人にはご褒美がもらえる形ですね。
この控除額を超えた退職金を得る場合は超過分に対して課税されるという仕組みです。
この退職所得控除についてはiDeCoによる積立/運用総額を退職金と同時に受け取る場合には控除額はiDeCoと退職金の合算に対して決められるため注意が必要です。
- 退職所得控除により受領時の課税を少なくすることが可能
- iDeCoの控除額は各々の状況により異なるため自分の状況を把握し節税効果を確認すること
- 退職所得控除は退職金とiDeCoの積立金に対する合算で計算される
まとめ
iDeCoの仕組みは複雑なのでわかりづらいところが多いかもしれませんが、長期投資で自分年金を作れる非常に良い制度です。
つみたてNISA枠を残している方はつみたてNISA枠をはじめに使用するべきですが、投資資金に余裕のある方にはぜひオススメしたい制度です。
手数料や受取時の税金はかかりますが、長期投資によって得られる複利効果や、所得税/住民税の控除に比べると十分に小さい額となりますので検討の余地ありです!
- 手数料/税金は得られる利益に比べるとあまり大きくない
- iDeCoは資金に余裕がある場合には検討の余地あり!
最後に…
投資はやはり自己責任になりますので、様々な情報に対して自分で納得した上で行動する前提で臨む姿勢が必要であると思います。(上手くいかなかった時に誰かのせいにしてもお金が戻ってくることはありませんので。。。)
金融リテラシーをあげて豊かな人生を歩んでいきましょう!!
投資はあくまでも自己責任!
自分自身が納得した上で行動を!
[…] iDeCoのメリットとデメリットについては下記の記事で詳しく説明していますのでこちらをご覧ください。 iDeCoのメリットとデメリットって何??-税制優遇を全力利用!!- […]