今年に入ってから年初のグロース株の急上昇や2月末からの急落があり乱高下の前半戦、その後はGAFAMを中心とする大型テックが復調してきて全体的に株高傾向と日々市場のトレンドは変化しています。
長期投資においては株価の高騰そして急落/暴落というものは今後幾度となく訪れます。私はいますぐに大きな利益を得る事を目的とした投資を行っておりませんので基本的には米国ETFや国内投資信託を用いたポートフォリオを組んでいます。
基本的には全世界に分散した投資を行っていますが、ポートフォリオの大部分は米国ETFや米国ETFに投資できる投資信託での資産運用を行っています。
さて、急落のタイミングではセクターの強弱が大きく変わるような出来事も発生しており、今まで強かったセクターが弱くなり、今まで弱かったセクターが強くなるといった現象も発生しています。
急落の際に下落幅の大きいセクターに集中して投資しているような場合は大きなダメージを負ってしまい、最終的には退場しなければならないという状況に陥ってしまう場合もあります。
今回はセクターの分散を行うことで様々な状況での下落時にダメージを軽くする目的でセクター分散を行うために必要な観点である「米国ETFのセクターバランス」についてのデータの最新版をまとめましたので、興味がある方にはご覧いただければと思います。
こんな方に読んでいただきたい
- 株価の乱高下で穏やかに過ごせない
- 米国ETF、投資信託でポートフォリオを作りたい
- セクター分散を意識したポートフォリオを組みたい
この記事のセクター比率の情報についてはETF/ファンドによってセクターの分類が異なるため全てGICSに変換して示しています。一部のETF(バンガード社のVTI/VIG/VYMなど)はICB(Industry Classification Benchmark)という独自のセクター分類を行っているため正確な比較が難しいのですが、Fidelity.com(https://www.fidelity.com)というサイトでこれらのETFもGICSと同様のセクター分類で情報が提供されており、この記事のセクター分類は全てこのサイトから引用させていただいています。
このサイトからは9/11時点の情報を引用しておりますが、最新の情報ではない可能性があることを前提にご覧いただければと思います。
目次
米国ETFの基本情報
キャピタルゲイン VOO/VTI/VIG/QQQ
こちらはキャピタルゲインを得る事を目的とした主要なETFの情報です。
基本情報
セクター比率
表形式
こちらがキャピタルゲインを得る事を主眼においたETFのセクター比率の分布を示した表になります。
それぞれが異なる特徴を持っていることがわかりますね。VOOとVTIはほとんど同じような形をしていますが、どちらも時価総額加重平均で組み入れ比率が決められている前提を考えると全米に対するSP500の割合の大きさが非常に大きいことが伺えます。
レーダーチャート
表の情報を可視化するためにレーダーチャートを用いて表現すると下記のようになります。
VIG/QQQに関してはVOO/VTIとは若干異なるセクター分布をしていてETFの特徴が違う事がこのチャートからもよくわかりますね。
高配当 VYM/SPYD/HDV
配当金によるキャッシュフローを得る事を主眼においたETFの情報です。
基本情報
セクター比率
表形式
これらのETFに関してはそれぞれのETFがどのような運用方針であるか??というところも念頭において投資する必要がありそうです。運用方針(ベンチマークするインデックス)がそれぞれ異なり、銘柄の入れ替えも発生しますのでこまめにセクター分布を確認しておく事をお勧めします。
レーダーチャート
番外編 全世界 VT/VXUS/VEA/VWO
こちらは番外編として米国市場で購入が可能な全世界に投資ができるETFの情報となります。
基本情報
セクター比率
表形式
こちらはセクター比率になりますが、米国を含んでいるかどうか、中国を含んでいるかどうかでかなり構成が左右されている事がわかります。(米国を含むのはVTのみ、VWOは中国を多く含む)
レーダーチャート
セクター比率レーダーチャート組合せ表 as of 2021/9/11
最後にそれぞれのETFを1:1の資産額の割合で組み合わせた場合のレーダーチャートの組合せ表を紹介します。(全世界株式ETFに関しては除外)
以前もまとめていた図ですが、昨年実施したタイミングから少し銘柄毎のセクター分布が変化していますので、若干見え方が変わっているように思います。
組合せ表のPDFは下記のリンクからダウンロードが可能です。
ダウンロードURL:
https://firestorage.jp/download/552b40d7999ddea6af8979425fab0a9d0c7bf164
ダウンロードパスワード:
fgg9wy5h
まとめ
急落や暴落があったときについつい弱くなったセクターを売って強くなったセクターを買いに行くような事をしがちになってしまいますが、そういった気持ちはアセットアロケーションの考え方やポートフォリオのバランスが悪い(分散の仕方が悪い)事によるボラティリティ(リスク幅の大きさ)の高さによるものである場合が多いと思います。
長期投資を行っていく中でこういった急落はこれから幾度となる訪れますので、自分の目標と照らし合わせながら適切なリスクをとったポートフォリオの構築がまずは必要なのではないかと思います。
このデータがポートフォリオのセクター分散を考える上で少しでも参考になれば嬉しいです。
最後に…
この記事は我が家の全体の資産に対して「生活防衛資金」、「余剰資金」、「投資余裕資金」を確保した上での投資計画として作成しております。投資に対してリスクをとりすぎないという前提は変えておりません。
投資はやはり自己責任になりますので、様々な情報に対して自分で納得した上で行動する前提で臨む姿勢が必要であると思います。(上手くいかなかった時に誰かのせいにしてもお金が戻ってくることはありませんので。。。)
金融リテラシーをあげて豊かな人生を歩んでいきましょう!!
投資はあくまでも自己責任!
自分自身が納得した上で行動を!