米国ETF

徹底比較!! 人気米国ETF!! VOO/VTI/VIG/QQQ 2021年1月最新版!!

ETFとは株式市場に上場している投資信託のことで、上場投資信託と呼ばれます。米国ETFとは米国の株式市場に上場している上場投資信託の事を指します

ETFは数十から数千の企業の株式から構成されているため分散が効いた非常に良い商品ですが、この記事では現在人気の米国ETFに対してそれぞれどのような特徴があるか解説し、特徴の比較を行っていきます。

こんな方に読んでいただきたい

  • 米国ETFの特徴を知りたい!
  • 米国ETFを比較したい!
  • 米国ETFでポートポートフォリオを作成したい!

今回はVTI/VOO/QQQ/VIGといった長期的なキャピタルゲインを得る事を目的とした米国ETFを対象として1月22日の最新のデータを使用して比較を行っていきます。

今まで見られなかった素顔が見えてくるかもしれません。

*キャピタルゲイン:株式や債券など、保有している資産を売却することによって得られる売買差益のこと

各米国ETFの特徴

それではまずはじめにVOO/VTI/VIG/QQQ各ETFに関して一つ一つ特徴を解説していきます。

VOOの特徴

VOOの特徴を見ていきます。

VOOの基本情報

まずVOOは言わずと知れた「S&P500」をインデックスに追従する形で運用されるETFとなります。

VOOは大企業のみが含まれ、より成長性の高い大企業に集中して投資が可能な商品となります。それでも500もの企業に一括して投資できているためそれだけでも分散投資できていると言えます。

また、運用総額が大きい事もあり信託報酬は0.03%と非常に割安となっていますので、非常に購入し易い商品と言えます。

10月の末の急落の影響でかなり株価が下がっている状況でしたが、現状は回復して高値更新をしている状況です。

年明け後いったん調整が入る場面はありましたが基本的には右肩上がりの上昇を続けている状況です。

VOO6ヶ月チャート

VOOのセクター比率

下記がVOOのセクター比率になります。

VOOセクター比率

12月のデータからの差分はほとんどなく、トップ3の顔ぶれも変わっていない状況です。
VOOのセクター比率をレーダーチャートで示すと下記の通りとなります。

このETFだけでも幅広く分散されており、一つだけでも立派なポートフォリオとなる優れたETFであると言えます

組入銘柄上位10社

下記がVOOの構成銘柄上位10社となります。
赤くハイライトしているのがいわゆるGAFAMとなりますが、GAFAMだけで全体の約22%の割合を占めていいます。

また、10月との変化点としてはTeslaが組み入れられたことです。組入後一気にGAFAMの牙城を崩す勢いで切れ込んできています。今後の時価総額の動きによってはさらに上位に食い込んでくる可能性もありそうですね。

S&P500の中でのGAFAMの存在感の大きさをこういうところでも感じることができますね。

VOO: S&P500に連動して運用される

信託報酬が0.03%と割安
高いトータルリターン
10月の急落から回復ご右肩上がり

  • セクター比率上位3セクター
    情報技術/ヘルスケア/一般消費財
  • GAFAM比率
    22%

VTIの特徴

それでは次にVTIの特徴を見ていきましょう。

VTIの基本情報

VTIの特徴としてに始めに挙げられるのはやはり「銘柄数」となります
VTIはS&P500も含めた全米の大企業、中小企業約3500社に分散して投資が可能でこれだけでも分散投資ができる代物です。

VOOとの大きな違いはこの部分であり、大企業中心に投資ができるVOOに対して中小企業(成長株)に投資できるのがVTIということになります。

また、設定年が2001年という事で「ITバブル(2002年)」や「リーマンショック(2008年)」といった大きな暴落を経験した上で成長し続けている点も挙げられます。

運用総額が大きい事にもより信託手数料も0.03%と非常にが安く一株単価も比較的安い事から非常に投資し易い銘柄と言えます。

年初からの株価の推移を見てみても現状はS&P 500に匹敵する成績を収めています(緑色がVOOで赤色がVTI)

VOO同様に10月の急落の影響で株価が下落しましたが現状は回復してきており、直近の値動きを見るとVOOに対してVTIの成績が若干上回っています

12月から1月の前半にかけては中小企業の指数ラッセル2000が好調で中小型のグロース株が好調であったこともあり、中小型株を含まないVOOに比べてVTIの成績が良かったものと思われます。

個人的には中小型株の成長の影響を享受することができることがVTIの魅力の一つであると考えています

直近は再びGAFAMに資金が集まっている傾向もあるので今後のトレンドは若干変わってくる可能性もあると思います。

VTIのセクター比率

VTIのセクター比率は下記の通りとなっています。

下記はファンドHPの抜粋ですが、VTIに関してはICBという業種別ベンチマークにより分類されているため厳密にいうとVOOなどで使用されている世界産業分類基準 ”Global Industry Classification Standard” とは分類の方法が若干異なる事を前提にご覧いただけると幸いです。

VTIのセクター比率をレーダーチャートで示すと下記の通りとなります。

VOO同様、このETFだけでも幅広く分散されており、一つだけでも立派なポートフォリオとなる優れたETFであると言えます

組入銘柄上位10社

下記がVTIの構成銘柄上位10社となります。
赤くハイライトしているのがいわゆるGAFAMとなりますが、GAFAMだけで全体の約18%の割合を占めている形となります

VOO同様、TeslaがTop10に切れ込んできているのが印象的ですね。昨年からの株価上昇は凄まじく瞬く間に時価総額も上昇してきたということがここにも現れています。その影響でGAFAMの比率が下がっていることも印象的です。

VOOのGAFAMの組入比率が約23%ですからVOOに比べるとGAFAMの組入比率が若干小さくなっています。

これはVTIの方が銘柄数が格段に大きいため、自ずと全体に対するGAFAMの構成比率も下がっているということです。そう考えると全米の中のS&P500の比率自体も時価総額でいうとかなりの割合を占めていることになりますね。

VTI: S&P500を含む全米の3500社への分散投資が可能

「ITバブル」、「リーマンショック」を乗り越えている
信託報酬が0.03%と割安
高いトータルリターン
直近はVOOを上回る好成績

  • セクター比率上位3セクター
    情報技術/一般消費財/資本財
  • GAFAM比率
    18%

VIGの特徴

VIGの特徴を見ていきます。

VIGの基本情報

VIGの特徴としてまず始めに挙げられるのが「連続増配株」で構成されている点です。VIGの組み入れ銘柄の組み入れ条件として10年以上の連続増配があり、数千ある米国株式の中からただ増配を続けているだけではなく、増配の可能性が低い銘柄は排除されています

構成銘柄が「資本財」や「生活必需品」の比率が40%程度となっており、暴落時の下げ幅が少ないことも特徴に挙げられます。実際に今回のコロナ暴落においても、暴落時の下げ幅が小さく、回復も早いという特徴を裏付けています(緑色がVOOで赤色がVTIで水色がVIG)

このように下落時のボラティリティが小さいという事は資産形成後の取り崩し局面で影響を最小限にすることができるため有効に働いてくれることが期待できます。

しかし、直近のパフォーマンスを見てみるとVTI、VOOに対してパフォーマンスが劣っている状況です。これは後述するようにセクターの分布による影響であると考えています。好不調のセクターは変わりますのでこう言った調子の悪い時期も存在するということも認識しておいた方が良さそうですね。

VIGのセクター比率

VIGのセクター比率は下記の通りです。

下記はファンドHPの抜粋ですが、VIGに関してはICBという業種別ベンチマークにより分類されているため厳密にいうとVOOなどで使用されている世界産業分類基準 ”Global Industry Classification Standard” とは分類の方法が若干異なる事を前提にご覧いただけると幸いです。

VIGのセクター比率をレーダーチャートで示すと下記の通りとなります。

資本財、一般消費財の比率が大きく、金融や不動産なので景気敏感セクターをあまり含んでいないことから、ディフェンス力が強いETFと言えると思います。

ただし前述の通り、このセクター比率の違いが時にはその他の銘柄に対してパフォーマンスが劣るという状況も作ってしまいます。ポートフォリオを作る時にはポートフォリオ上のセクター比率について検討するのも良いのではないかと思います、

組入銘柄上位10社

下記がVIGの構成銘柄上位10社となります。
赤くハイライトしているのがいわゆるGAFAMとなりますが、GAFAMだけで全体の約4%とそのほかのETFに比べると非常に低くなっています。これについてはVIGのファンドの組入条件によりMicrosoftしか入っていない状況となっています。2年後からはAppleが追加となる可能性が高いので期待したいと思います。

VIG: 10年以上の連続増配株で構成される

「ITバブル」、「リーマンショック」を乗り越えている
信託報酬が0.06%と割安
下落時での株価の下げ幅が小さい
直近のパフォーマンスがVOO/VTIと比べて悪い

  • セクター比率上位3セクター
    一般消費財/資本財/ヘルスケア
  • GAFAM比率
    4%

QQQの特徴

QQQの特徴を見ていきます。

QQQの基本情報

QQQの特徴としてまず挙げられるのがNASDAQ 100に連動した運用がされていると言う事です。NASDAQ 100は米国の中でもハイテク株(情報技術/電気通信)を中心とした中小企業やハイテク産業など主にベンチャー向けの新興市場となります。
ファンドのセクター比率も情報技術/電気通信だけで68%を占めておりハイテク株に特化したETFであると言えます。

また設定年も1999年と「ITバブル(2002年)」や「リーマンショック(2008年)」を乗り越えているところも良い特徴として挙げられます。

しかし、その他のETFに比べると信託報酬が0.20%とやや割高となっていることと、一株あたりの単価が若干高めな部分があり、この点は運用していく上でネガティブな要素となります。

そして、QQQにおける最も素晴らしい点はトータルリターンの高さです。
5年トータルリターンで27.38%の成績でこの間保有していた人はさぞ大きな利益を得ることができたでしょう。。。

また、コロナショック前までは「ハイテク株は暴落に弱い!」と言われていましたが、結果は全く逆。このコロナショックにおいてQQQは唯一の勝ち組と呼んでも良い成績を収めています。1年トータルリターンでQQQは46.82%という成績を収めていおり、他を圧倒しています。

VOO/VTI/VIGとQQQの一年チャートを比較してみると下記の通りとなります。(緑色がVOO、赤色がVTI、水色がVIG、橙色がQQQ)

見ての通りその他の銘柄を完全に置いて行っており、暴落があったにも関わらず年初来高値を更新しています。

ただし、直近の成績としてはその他のETFとあまり変わらない成績となっています。下記は直近の6ヶ月チャートとなりますが、実は配当金再投資も含めたトータルリターンではVTIの方が若干良い成績となります。

もっともハイテクセクターは我々の生活においてなくてはならないものとなっているため当分の間は成長していくセクターであると考えられます。

このボラティリティの高さによるリスクを許容できるか?というのがこの銘柄を購入するときの判断材料の一つとなると思います。

QQQのセクター比率

QQQのセクター比率は下記の通りです。
前月比較しても特に変化はない状況です。

QQQのセクター比率をレーダーチャートで示すと下記の通りとなります。

情報技術、電気通信に特化したまさにハイテク特化型のETFと言えます。

組入銘柄上位10社

下記がQQQの構成銘柄上位10社となります。
赤くハイライトしているのがいわゆるGAFAMとなりますが、GAFAMだけで全体の約45%と非常に高くなっています

10月時点の組入比率に対してGAFAMの割合が若干下がっています。
特筆すべきは青字で示したテスラ(TSLA)の躍進です。10月の時点でもGAFAMのなかに割って入っている状況でしたが、直近のデータでは第4位にまで食い込んできており、SP500採用による株価上昇の影響がETFの組入割合に大きく影響しています

また興味深いのがGAFAM比率が若干落ちてきているということです。昨年から今年にかけては中小企業の調整が良かった影響がここにも出てきていますね。

QQQ: NASDAQ 100に連動して運用される

「ITバブル」、「リーマンショック」を乗り越えている
圧倒的なトータルリターン
(直近のトータルリターンは圧倒的ではなくなってきた)
株価の値動きが比較的激しい
信託報酬が他のETFと比べると0.20%と若干高め

  • セクター比率上位3セクター
    情報技術/電気通信/生活必需品
  • GAFAM比率
    40%

VOO/VTI/VIG/QQQの特徴比較

前の項目まででそれぞれのETFの特徴について紹介してきました。
この項では各ETFの特徴の違いについて比較を行っていきます。

各銘柄の特徴のおさらい

基本情報の比較

今回は3ヶ月トータルリターンの項目を追加しましたが、直近ではVTIが一番良い成績をおさめているという結果となりました。

大統領選挙もほぼ結果が確定してワクチンについても各国で使用認可も降りている状況、今後どのような株価の値動きをするのか分かりませんが、QQQが最強だった状況では今はなくなっていることは確かです。

組入銘柄上位10社

赤色の部分がGAFAMになります。横に並べてみるとそれぞれの特徴の違いがよくわかりますね!

ETF特徴評価

基本情報についてグラフで比較すると下記のようになります。

銘柄数/信託報酬/一株単価/運用総額

銘柄数は圧倒的にVTIが大きい、信託報酬はQQQが高い、人株単価はVIGが安くて購入しやすい、運用総額はVIGが低く他と比べると流動性が低い。といったところです。

配当利回り/トータルリーターン

配当利回りはVIGが良い、トータルリターンについては長期の成績はQQQが圧倒的、直近の成績ではあまり変わらず、VIGのパフォーマンスが若干劣るという形です。

ETF評価結果まとめ

もっと分かりやすくするためにそれぞれの項目に対して◎/○/△/×に識別していきます。分け方は下記の通りです。
◎:非常に優れている
○:優れている
△:まあまあ
×:あまり良くない

この識別は筆者の独断と偏見て決めているので、参考程度で見ていただけると助かります!

上記をみるとそれぞれの銘柄の特徴がかなり見えてきますね。
私の印象をまとめると下記の通りです。

各銘柄の特徴

  • VOO
    言わずと知れたS&P500のインデックスファンド
    ○ 信託報酬が割安
    ○ 銘柄の分散が効いている
    ○ 暴落の経験が今回のコロナショックのみであるが、S&P500自体が幾多の暴落を経験しつつも成長し続けている実績から
    △ 一株単価が高い
    ○ 長期的に高いトータルリターンが期待できる
    ○ GAFAM構成比率が24%と高い
  • VTI
    S&P500も含めた3500に投資できるインデックスファンド
    ○ 信託報酬が割安
    ◎ 一番銘柄の分散が効いている
    ○ 「ITバブル」「リーマンショック」を乗り越えている
    ○ 一株単価が安い
    ○ 長期的に高いトータルリターンが期待できる
    ○ GAFAM構成比率が20%と高い
  • VIG
    連続増配株で構成されたファンド
    ○ 信託報酬が割安
    ○ 銘柄の分散が効いている

    ○ 「リーマンショック」を乗り越えている
    ○ 一株単価が比較的安いのが魅力
    ○ 長期的に高いトータルリターンが期待できる
    △ 直近の株価はVOOに対して劣る
    ○ コロナショックでは暴落の影響が比較的小さかった
    △ GAFAMの構成比率が5%とその他のETFと比べると低い
     *ただし2年後にはAppleの組入の可能性が…
  • QQQ
    NASDAQ 100に連動するインデックスファンド
    △ 信託報酬が比較的高い
    ○ 銘柄の分散が効いている
    ○ 「ITバブル」「リーマンショック」を乗り越えている
    △ 一株単価が高い

    △ 株価の値動きが比較的激しい
    ◎ トータルリターンは他のETFを寄せ付けない
    ○直近のトータルリーターンはVTIと差がない
    ◎ GAFAM構成比率が46%と非常に高い

セクター比率の比較

続いてセクター比率のグラフを並べて確認していきます。

このグラフをみるとそれぞれの銘柄の特徴が見えてきます。

下記は景気循環に対するセクターローテーションについて追記したチャートになりますが、上記のレーダーチャートと比べてみるとVOOとVTIは上位3セクターが順位は異なるものの景気循環に対するセクター分布がある程度散らばっており各ETF単体でもセクター分散がされていることが分かります。

VOOとVTIに対してVIGとQQQに関しては独自の特徴が示されていることが分かります。

VIGは「生活必需品」、「資本材」といった暴落相場でも比較的影響を受けにくいセクターを含む形状となっており、暴落相場での底堅さが伺えます。実際に今回の暴落相場でも小さい下げ幅で推移できた事の裏付けですね。

QQQは「情報技術」、「電気通信」のセクターが尖っておりまさに『ハイテク特化型』ともいうべき形状をしています

どの銘柄についても長期的に運用することを考えると間違えがない銘柄であると思います。ただし、ある頻度で急落はあるということや銘柄のセクター分布の特性上有利な時期や不利な時期が存在するは頭の中に入れておかなければいけません。(ずっと上がり続けるということはないと言う事)

長期投資を行う上では上記のような急落に一喜一憂する事なく投資を継続する忍耐が必要となります。

 

また、ETFといっても一つの銘柄だけでは全てのセクターに分散して投資できる訳ではないということです。

必要に応じて複数のETFを組み合わせるなど、さらなるセクターの分散についても検討する余地があるのではないかと思います。

また、各ETFの組み合わせ表についても下記からダウンロード可能ですので興味のある方はぜひ!!

まとめ

この記事では1月22日付の最新のデータで銘柄の比較を行ってきました。

個人的には長期的に投資することを考えると銘柄やセクターの分散が効いていた方が良いと考えているので、そういう意味だと一株単価の安く、銘柄数の多いVTIが上位に上がってくると感じていますし、

連続増配に魅力を感じる方はVIGを選択するのも一つの解となるのでは?と思います。今は他のETFに比べると調子が悪いですが、ポートフォリオに組み入れている方にとってはリバランスで購入していくチャンスであるとも言えると思います。

いずれにしてもどのETFも非常に優秀な銘柄ですのでどれを選んでも良いと考えますが、最終的には人それぞれの考えや好みによるということとなると思います。

あとはETFを組み合わせることで各々の理想のポートフォリオを作成することも可能です!

この記事が銘柄選びの一つの助けとなれば幸いです!

最後に…
投資はやはり自己責任になりますので、様々な情報に対して自分で納得した上で行動する前提で臨む姿勢が必要であると思います。(上手くいかなかった時に誰かのせいにしてもお金が戻ってくることはありませんので。。。)

金融リテラシーをあげて豊かな人生を歩んでいきましょう!!

投資はあくまでも自己責任!
自分自身が納得した上で行動を!

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